義援バルーン空撮
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大船渡市大船渡町

大船渡市 2011年4月4日[撮影者解説]

大船渡線の被災状況 大船渡市盛町。
眼鏡店の看板と思われる時計は、津波の到達時刻である3時25分を指し示しています。

大船渡市の中心部は、平地の工業地帯と商業地域。
高台の住宅地と商業地域にわかれています。

5kmほど離れた陸前高田市は、平地が中心に市街地が構成されることから、今後の都市計画は非常に悩む事になります。
対照的に、大船渡は津波が到達しない高台の扇状地が港の近くにあることが財産。
復興後の街の形がイメージしやすい場所でます。

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大船渡線の被災状況

大船渡線は盛駅と大船渡駅の間で小高い住宅地と海に面した平地の境を走ります。
津波被害の境界は、大船渡線の山側と海側で大きく異なります。

海側では3階相当の高さまでの津波被害。
木造家屋は、一棟も残っていない。
工業地帯も壊滅的な被害。

山側は、地盤面が高い扇状地であることから、多くの住宅と一部の商業地域は被災を免れています。

この山側の扇状地は、非常に価値のある地域。港に近いにもかかわらず津波被害が無い。
これからの都市計画の際に、非常に重要な場所となります。

大船渡線の被災状況

大船渡市には、10階建て以上のマンションは見当たりません。
住宅は基本的に2階建ての木造住宅で構成されます。

津波が到達した場所の木造住宅は全壊。
この被災者の方々には、新たな住居として以下が考えられます。

・同じ場所への建て替え
・同じ地域のマンション
・津波被害の無い山側に戸建て
・津波被害の無い山側のマンション

個人的に「理想」と考えるのは、「津波被害の無い山側のマンション」
他の地域よりも広いと言っても、津波被害の無いエリアの面積は限られている。
現状でも、住宅の密集度は十分に高い。
このままでは全ての住民を受け入れるには、土地が足りない。

大船渡市の高台の住宅地 津波を体験した人々は、高台に住宅をつくるプランを中心に都市計画を進める。
しかし、世代が入れ替わって津波の実体験が薄れてくると人は同じ過ちを繰り返す事が怖い。

義援バルーン空撮の目的のひとつは、「ここで何が起こったかを、未来に伝える」
位置関係が明確に表現できるバルーン空撮や空撮CubicVRは、今までの人類が持ち得なかったツール。

この技術を2011年持ち合わせている者は、この震災の記録を残すのが義務と考えています。

数百年後に同じ悲劇を繰り返さない。
これが願いです。

大船渡市 2011年4月4日:他の空撮

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