義援バルーン空撮
画像の使用に関して | 義援バルーン空撮とは? | 良くある質問
宮古市田老地区

宮古市田老地区 2011年4月3日[撮影者解説]

宮古市田老地区防潮堤 宮古市田老地区。
ここは数々の津波に襲われた教訓から要塞のような防潮堤に囲まれています。
東日本大震災では、この堤防を乗り越え、一部の防潮堤を壊しながら街を飲みました。

防潮堤の右側が海岸。
左側が中心地。
この画像からも、防潮堤の内側の方が破壊が少ないことがわかります。
津波は防潮堤を乗り越えているが、確実に勢いを殺せていることがこの画像から読み取れます。

防潮堤の右側では、全てが破壊されて上流に流されていきました。

田老町漁業協同組合 防潮堤の中では、鉄筋コンクリートの強固な建物の多くは残ります。
木造家屋の多くは完全に破壊されているが一部は原型を留めています。
防潮堤は完全には機能しなかったが、少なくない命を救っている事も事実です。

手前の建物が田老町漁業協同組合。
2階の窓ガラスは一部は破損が免れている。
防潮堤の遙か向こうに見えるのが、たろう観光ホテル。
ここの4階まで津波は達しています。

津波は、この画像の右から左に向かって流れています。
画面の右端に、僅かに写っているのが田老漁協の製氷貯氷施設。
そこが最初に津波が到達する場所。

宮古市田老 津波の到達標識 漁協の貯氷施設近辺の山肌。
ここには、過去の津波の高さを示すプレートが貼られています。

明治29年津波水位15M
昭和8年津波水位15M

今回の津波には、昭和8年のプレートを破壊。
「明治29年津波水位15M」のプレートも飲み込んで、高さ24mまで達しています。
ここは湾内でも狭くなっている場所であることから、特に津波が高くなる条件です。

津波は、この場所で最高点に達します。
ここから内陸部は高さは低くなるが位置エネルギーを蓄えた津波は勢いを付けることになります。

↓CubicVR 画像内をドラッグすると動きます。

田老漁協の製氷貯氷施設。
高さ24mとなる4階の天井まで津波は到達している。

建物が原型をしっかりと留めているのは、津波の「勢い」が無い証拠。

この画像の高さは、約15m(明治29年津波水位)
この位置から、津波は田老の中心部に進んでいきます。

宮古市田老 破壊された防潮堤 真下に見える漁船の先端付近が防潮堤のあった場所。(製氷貯氷施設から150m内陸)
この場所の防潮堤は完全に破壊されています。

随所で防潮堤が破壊されてますが、この地域の損害がもっとも大きいと感じます。
製氷施設付近で位置エネルギーをため込んだ津波が、もっとも勢いが付く場所であることがわかります。 湾の入り口にある田老漁協製氷貯氷施設が形を留めているのと対照的。

画像右手は比較的傾斜のある市街地になっています。
防潮堤は、引き波で破壊された可能性があるのか? これに関しては、専門家の分析を待つところです。
津波は、この場所から地形に沿って写真左上のたろう観光ホテルに向かっていきます。

たろう観光ホテル たろう地区で、もっとも高い建物が「たろう観光ホテル」
最上階の客室は6階の高さになる。

3階の天井まで破壊されていることから、津波はこの場所でも12mに達してることがわかります。

道をまっすく進み、川を渡り防潮堤を越えると田老町漁業協同組合が位置する。
海岸からの距離はさほど変わらないが、田老町漁業協同組合が2階の窓ガラスが健在であることを考えると対照的です。

宮古市田老地区 2011年4月3日:他の空撮

スチール撮影 | YouTube | CubicVR